どうも!
某企業で、現役シェフパティシエとして働く【スイーツだいすき大男】です。
こちらのサイトは
- これからパティシエになりたい人
- パティシエなりたての新人さん
- スイーツに興味があるみなさん
そんな方々に少しでも役に立つ
有益な情報を伝えていけたらと考えています😆
今回のテーマは
「本日中にお召し上がりください」の本当の理由は?後編
今回は後編です。
前回は
- 賞味期限と消費期限
- 飲食業での一番のリスク
- 実際のケーキの消費期限は?
- 賞味期限のリスクヘッジ
について説明しました。
今回後編は
- 販売店での適切な管理環境
- 法律上のルール
- お店側の気持ち・ホンネ
- 結論「本日中にお召し上がりください」の理由とは
こちらについて解説していきます。
販売店での適切な管理環境
こちらもケーキで例えます。
仰々しく「適切な」と書きましたが、具体的には3〜7℃の冷蔵庫で、清潔に保管されている状態です。
これだけ書くと「うちの冷蔵庫でも一緒なんじゃ…」とありますが
はい。一緒です。
入りっぱなしであれば問題はないんです。問題は、【ケーキ屋さんから家に持ち帰る】ために、
ケーキ屋さんの適切な環境下の冷蔵庫から出す
状態になります。
時間が長いか・短いかは関係ありません。
少しでも、適切な環境下を離れた場合はお店側としては保証ができません。
そのため、
販売した瞬間は、責任がしっかり持てる状態だが
販売したあとは責任が持てない状態になる
ということになります。
これって持ち帰る場合、しょうがないことですよね。
「じゃあ、持ち帰りの食品は全部ダメってこと?」
ダメではなく【仕方のないこと】といえます。
だからスーパーやコンビニなどの商品は、耐性を高めるために
【保存料や添加物を入れて、通常よりも耐性を高くしています】
その効果によって食品が傷みにくい為、
賞味期限が通常の飲食店のテイクアウトやケーキ屋よりも長めに設定されています。
法律上のルール
少し寄り道をします。
この持ち帰り商品に対して視点を変えてみます。法律面から考えてみましょう。
よくコンビニに販売しているお弁当や冷凍食品は
「原材料表示」がしっかりと記載されていますよね?
ただしケーキ屋さんのケーキは対面販売の場合
「本日中にお召し上がりください」
だけであることが多いです。
なぜかと言うと、
販売スタイルが「対面販売」なので、聞かれた場合すぐに答えることが出来るからという解釈になります。
食品表示法では、消費者に販売されるすべての食品に対して食品表示が義務づけられているが、例外もある。飲食店が客の注文に応じて弁当、そうざいをその場で容器に詰めて対面販売する(テイクアウト、デリバリーを含む)場合や、ランチタイムなどの繁忙時に備えてあらかじめ販売見込み量を容器に入れて対面販売する場合、食品表示は必要ない。これは製造者が消費者に直接販売することとなり、品質について説明できると考えられているためだ。
引用:飲食店のテイクアウト商品に食品表示が義務付けられる場合とラベルの作り方|フーズチャネル
作っているお店だから、何が入っているかすぐ回答できるよね?
という解釈になります。
余談ですが、年々徐々に明記しなければいけない情報やルールが増えています。昔と違い、かなり細かい計算を小さなレストランやケーキ屋のような【小規模事業者】でもしなくてはならない時代の流れがあります。
そのため、皆さんが思っている以上に
現場への圧迫が大きくなっています
もちろん購入者側からすれば、情報が多くても困ることはないですが、販売者側の商品に対してのコストが見合わなくなってきます。
そのため、対面販売の形を取り
【少しでもコストを商品クオリティーやサービスに投入】
している形です。
お店側の気持ち・ホンネ
さて、本題に戻ります。
【正直、お客様に長く食べてもらいたい】
というのが本音です。
長く出来るなら、もっといっぺんに販売することも出来るし
【お家でスイーツビュッフェセットなんていかがですか?】のような販促も可能です♪
(これ、なんかいいアイデアですね…😁)
ただ、
【食中毒だけは絶対に避けたい】
というのもあります。
車で例えるなら
- 事故を起こして死者を出してしまった→「食中毒」
というイメージです。
従業員の生活や、それこそお店が潰れたり
【お客様の中に死者が出る】
という危険も含まれています。
よくあるケースで
「レストランで余ったケーキの持ち帰り」
フードロス観点からも推奨されていますが
「正直、持ち帰ってほしくないです」
それならば、例えば提供して写真を取ったあとに事前に持ち帰る旨を店に伝えて
「このケーキ、冷蔵庫で冷やしておいてください」
と、なるべく良い状態で持ち帰るとか。
そして何より、こちらでの商品の品質の責任が取れないというのが一番です。
もちろん、私はパティシエとして、お客様の希望を叶えるために最善の努力はしたいのですが、
リスクが大きすぎるんです…
冗談ではなく本当に
人生が傾く可能性があります。そんなことにはなりたくないですよね。
だからこそ安全面は無視することができない、重要な要因の一つになります。
結論「本日中にお召し上がりください」の理由とは
まとめると
- 美味しいものを食べてもらいたい、喜んでもらいたい
- でも、食中毒は怖い。だからリスクヘッジ
というお店側・販売者側の気持ちが少しでも分かっていただけると幸いです。
だからといって、
「じゃあ、今後は持ち帰りとかやめよ…ケーキも残す」
というわけではなく、あくまでも自己責任の範疇なら私達は喜んで提供できますよ!
ということを伝えたかったのです。
お客様自身と会社
どちらも守らなければいけない
2つの間で揺れ動く、そんなリアルな本音を伝えていきました😂
まとめ
いかがでしょうか?
今回は
「本日中にお召し上がりください」の本当の理由は?後編
として解説していきました。
結果、
「シェフや店長・経営者は色々考えているんだな〜」ということが
ほんの少しでもわかっていただければ幸いです😙
この記事が未来のシェフパティシエや、スイーツを愛する全ての人のためになりますように♪
それでは!
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