【いくらで】シェフパティシエが教える~ケーキの販売価格や目標売上の算出方法~【売ればいいの?】

パティシエとビジネス

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今回のテーマは

【いくらで】シェフパティシエが教える~ケーキの販売価格や目標売上の算出方法~【売ればいいの?】

以前、スイーツの原価率についての記事を投稿しました。

では、実際にはどのくらいの金額設定にすればいいのか。

今回は【健全な営業をしているプリン専門店】と仮定して理想的なFLRコストから逆算するスイーツの食材原価・人件費・販売価格の設定方法・考え方について解説を行います。

大男
大男

「以前紹介した通り、原価・コストのバランスは経営戦略にもつながるので一概には言えませんが、あくまで【理想値】で解説していきます」

例:プリン専門店 家賃10万の場合

今回は【プリン専門店】とします。基本、プリンしか販売しない店舗です。また、わかりやすくするために【すべて税込み】での表記になります。


スタートアップでいきなり土地購入・新築物件での起業は、かなりの資本力が必要なので、今回は賃貸物件です。


賃貸物件にもさまざまな種類があります。

  • ビル施設でのテナント利用パターン
  • 従来店舗を改造したり、以前飲食業を行っていた居ぬき物件のパターン
  • 事務所利用可のアパート・マンションの一室をリフォームしたネット販売専用店舗

賃貸物件なので、単純に家賃金額からの計算とします。

わかりやすく月¥10万とします。ここから諸々の数字を算出していきましょう


まずは以前解説した【FLR比率】を使います。


リンクはこちらからどうぞ!


売上に対しての各比率

もっともオーソドックスな飲食店のビジネスモデルケースで算出します。

総売上=100%
FL(食材費・人件費)=60%
R(家賃)=10%
その他(水光熱・少額備品・福利厚生費等)=20%
利益(儲け)=10%

上記を見ると家賃は総売上の10%です。つまり

毎月100万の売上高

こちらが目標売上金額になります。

プリン原価と人件費【製造コスト】

まずは1月あたりの目標売上高100万は設定できました。


ただし、売上が年間ベースでの算出だとわかりにくいので

細分化した目標売上を算出します。

営業日数30日であれば

100万÷30日=約¥3.4万



となります。


また平日・週末を考える場合は週辺りで計算すると

100万÷4週間=¥25万



となります。なのでおおざっぱに土日で10万・平日で15万とすると


月~金→15万÷5日=1日¥3万
土・日→10万÷2日=1日¥5万

こちらを各週・各日の目標売上とします。

目標売上の設定ができたので、次は食材原価と人件費について設定していきます。

FL率60%なので、1ヵ月あたり合計¥60万です。

まずは人件費

仮に時給¥1,000のアルバイトで人件費30%とすると、

人件費¥30万=時給¥1,000×300時間


1日平均10時間人件費が使えるという事になります。


これは合計時間なので、5時間2人でも、10時間1人でもOKです。


設定した数字がだんだんとそろってきました。

大男
大男

「いったんここで、まとめてみましょう♪」

月間目標売上
¥100万
週間・日ごと売上
1週間¥25万
月~金→1日¥3万
土・日→1日¥5万
人件費
1日時間
食材費
1月¥30万


これらを踏まえて今度は製造数商品単価について考えていきます。

1個いくらで売ればいいのか考える

例えば1個¥100であれば

平日→1日300個 週末→1日500個
1週間当たり2.500個のプリンを売る必要があります!


使える人員は1日10時間。1日300個のプリン…

ちょっと多い感じがしますよね…では単価を上げてみましょう。

サイズや材料グレードを上げて1個¥300にすると

平日→1日100個 週末→1日167個
1週間当たり約840個のプリン販売で達成することができます。


100個のプリンなら10時間あれば問題なく作れますね。販売数も1人平均3個買うとしたら合計約30人。


¥100プリンに比べてこちらの方が、現実的な数字になってきます。

【このように薄利多売のみでは、問題があることがわかります】

じゃあどんどん単価を上げて適切な原価に!というわけではなく
実はこの計算だけでは少~し問題点があります。

こちらの計算には【ロス】に関しての考慮がされていません。

全くの無駄になってしまう【ロス】に注意!

一番大事なことを伝えます。

「予想される原価」と「実際にかかった原価」は違う


という事です。


あくまでも上記の計算では【ぴったり作れてぴったり売れた場合】という理想値で計算しています。

1日の目標数100個仕込んで、80個しか売れない場合、残りの20個はロスになります。


ロスになる場合は製造原価分損をします。¥100プリンと¥300プリン、どちらも同じ原価率の場合は個数の差が大きく出ます。

¥100プリンが30個余っても¥1800ですが
¥300プリンが15個余ると¥2700になります!

ですから原価率と想定販売数に対して、設定を誤ってしまうと【ロスになった時のダメージが大きい】という事になります。これは要注意です!


原価が高い分、プリン1個当たりの価値が高いという事になります。

そのため、利益損した場合と販売できた場合のリスクとリターンのバランスを見ながら価格は設定しなければいけません。


と、あくまで一例ですが、なんとなくイメージできたのではないでしょうか?もちろん上記の数字や設定はあくまで一例です。


ただし、なんとなくこのくらいかな?という不確かなものではなく、具体的な販売数や売上イメージです。


これはビジネスにおいてはとっても重要なので、ますは独立を考えているあなたは、

今働いている自分のお店を仮設定して、実際に計算してみてはいかがでしょうか

一度自分で事業計画を設計してみると、なんとなくの夢→具体的なイメージにつなげることができて、実際に事業を行うことができる確率が大きく上がると私は思います。

まとめ

今回は【健全な営業をしているプリン専門店】と仮定して

固定費の一つ「家賃」から売上算出を行い、それぞれにかかる経費や目標売上・予想販売数の決め方までを解説しました。

ここで改めてですが

やっていること自体はそんなに難しいものではありません。

それぞれの計算方法や考え方もいたってシンプルなものです。

ですが、基本的な経営の考え方なので、しっかりと理解しておきましょう^^

この記事が未来のシェフパティシエや、スイーツを愛する全ての人のためになりますように♪

 

それでは!

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