どうも!
某企業で、現役シェフパティシエとして働く【スイーツだいすき大男】です。
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そんな方々に少しでも役に立つ
有益な情報を伝えていけたらと考えています😆
今回のテーマは
【スイーツの原価率】フード原価が高い商品の秘密
以前、スイーツの原価率・FLRについての解説記事を投稿しました。
今回は原価率解説の続編となります。
- おさらい・FLとは
- 食材費が50%以上の高い商品
- ポイントは経費のバランス
- 例:人件費・広告宣伝費・粗利率・全体最適
上記の流れで説明していきたいと思います。
おさらい・FLとは
まずはおさらいです。飲食店では重要な経営指標となる原価率を確認するために計算するのがFLコスト・FL比率と言います。
(今回はわかりやすくするためにR(賃料)は省略します)
「食材費+人件費」が売上の何%にあるかを計算する。
計算式は以下のとおりです。
FL比率(%)=(食材原価+人件費)÷ 売上×100
経営は
売上-経費=利益
ですので、毎月利益が出ていれば問題はありません。ただ万全となんとな〜くやっていては、いずれは廃業・倒産となります。もしまだ潰れていないのに経営面を適当にやっているお店は、ただ運が良くて生き残っているだけです。お金で例えるならば、自分の財布の中身を見ないで「あとこれくらいあるかな〜」と適当に日々の消耗品や、食事を食べるお店を選んでいる状態に近いです。
いつかは潰れてしまう可能性が高いと思います。
話を戻します。
売上は自分では完全には管理できません。(上げる努力・施策はもちろんできます)
ただし、経費・つまりコストは「自社が払っているお金」なので、管理・監督できる環境にあります。ですからしっかりと数字を揃えて把握・分析する必要があります。
食材費が50%以上の高い商品
さて、【食材原価率50%以上の商品】
さっきのコストはしっかり抑える話はどこにいったんだ…
となってしまいそうですが、きちんと説明します。
FLコストの目安としてFL率→50~60%が理想
という話を前回の記事で紹介しました。上記の理想値を目指した場合
食材原価率50%だと、使える人件費が10~0%となってしまいます
これでは何もできないですよね…
もちろん人件費がかからない分、原価率の高い商品というパターンもあります。
ですが大抵の商品は、原価率の高い商品にも通常製品と同じくらい製造するための人件費がかかります。
となると
「シンプルに原価分だけ損してる!原価下げなきゃ…もしくは無給で働かなくちゃ…」
となってしまいそうですが、そんな事はありません。
昔は「とんでもなく安い人件費」でバランスを取っているケーキ屋がほとんどでした(本当にひどい話です)
私の修行していた店の給料も
月4休み、1日15時間労働で13万、住民税・年金支払いなしでした…
というか殆どがそんなお店ばかりでした。これに関しては別途記事作成したいと思います。
ですが今はその必要はありません!
実は経費のバランスがポイントとなります。
具体的に言うと、
- どの経費に
- どれだけのお金を
- どんな理由でかけるか
これらをしっかりと把握・コントロールすることにより問題が解決します。
ポイントは経費のバランス
経費とは会社・お店を動かす・営業させるために必要なお金。ということになります。
この経費は、勿論「FLR」以外にもたくさんあります。
あくまでFLRは「経費が大きい順の3つを使って計算・分析しましょう」という一つの手法です。
ですから、他にも様々な経費があります。
- チラシやCMなどお店の宣伝に使う、広告宣伝費
- お得意様への挨拶用に、交際費
- ケーキ伝票やろうそく代、営業消耗品
数え切れないくらいたくさんの経費の種類がありますが、最終的に
経費を売上が上回れば利益が出る
ということは、経費の内訳ではなく金額が重要ということです。
つまりこの【食材費50%】のからくりは
【余分にかかった食材費を他の経費で相殺する】
というのが答えになります。
例:人件費・広告宣伝費・粗利率・全体最適
ケーキ屋の場合の例で答えます。
- 普通のケーキを作るより、3倍のスピードで作ることが出来る(生産性が良い)誰でも作れる→人件費
- チラシやクーポンを配る代わりに「原価オーバー!○○ケーキ」のような、宣伝になるケーキを販売する→広告宣伝費
- FL60%の¥300のケーキと、FL70%の¥800のケーキを販売。サイズはどちらも同じ。¥300のケーキは1個販売すると利益¥120だが、¥800のケーキは利益¥240。2倍の利益→粗利率
- FL率80%の商品があるが、合計したすべての売上商品比率では最下位。上位商品はFL率40〜50%→全体最適
このように、不必要箇所を削減したり、上手くバランスを取ります。
結果利益がでる状態になっていれば良いのです。その方法は自由ですので、そこに経営の楽しさや難しさが詰まっているのだと思います。
そして何より、特に飲食店の場合
【食材原価率が高い→お得感がわかりやすく顧客満足度が高くなりやすい】
つまり最終商品への影響がわかりやすいんです。
普通のブドウのタルト→シャインマスカットのタルト(でも値段据え置き)
明らかに高級感やお得感がわかりやすいですよね。そのために
- 利益を出す商品
- お客様を呼び込む商品
とメニューラインナップを分けて考えていくのが、成功への近道なのではないかと私は考えます。
まとめ
いかがでしょうか?
今回は
【スイーツの原価率】フード原価が高い商品の秘密
として、経費の配分の仕方や考え方の一例をレクチャーしました。
もちろん何でもかんでも「お客様のためだ!」とバンバン原価を上げるのは違いますが、しっかりと計算・計画した高原価商品はお店の目玉商品や広告商品になります。
そして何より、「コストをかければクオリティーは上がります」
上がったクオリティーをお客様に還元して、売上が上がり、感謝の声が働くスタッフに届く…
素晴らしいお店になるのではないかと私は思います。
お客様・お店・スタッフ。三方良しで得をしなければビジネスは成功しません
皆さんの力でそんなお店を増やしていければ、パティシエ界の未来も明るくなるでしょう。私もがんばります😆
この記事が未来のシェフパティシエや、スイーツを愛する全ての人のためになりますように♪
それでは!
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