どうも!
某企業で、現役シェフパティシエとして働く【スイーツだいすき大男】です。
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有益な情報を伝えていけたらと考えています😆
今回のテーマは
「本日中にお召し上がりください」の本当の理由は?
ケーキ屋さんでのショーケース前、受け渡し時の会話
「ご注文ありがとうございます!こちらスペシャルバースデーケーキです。お持ち帰りになりましたら、なるべく早く冷蔵庫に保管して本日中にお召し上がりください。」
みなさん、こう思ってませんか?
「いや、今日中に食べきれないよこんな大きなケーキ」
例えば誕生日会なら、ケーキ以外にもご馳走がたくさん並びますよね
それこそ主役の好きなもので、テーブルがいっぱい!お腹いっぱいにした後に、暗転した部屋にロウソクがついたケーキが入ってきて…
よくある誕生日会かと思います。ちなみに私の子供の頃は、常に「骨つき唐揚げ」をたくさん作ってもらっていました😄
話がそれましたが、料理をたくさん食べた後に出てくる食べきれないであろうサイズの「誕生日ケーキ」は何故当日に食べて下さいと言われるのか。
皆さんは自分の部下に説明できますか?
理由は1つ
適切な環境管理下を離れる故の、リスクヘッジの為
です。
いきなり堅苦しく言われても
「………リスクヘッジ………?」
となってしまいますよね?
よくわからないと思うのでケーキの賞味期限について、説明していきますが、
【非常に長いです!】
その為前編・後編の2部構成にします。
前編は
- 賞味期限と消費期限
- 飲食業での一番のリスク
- 実際のケーキの消費期限は?
- 賞味期限のリスクヘッジ
以上について解説していきたいと思います😄
賞味期限と消費期限
おさらいですが、賞味期限と消費期限の違いです。
賞味期限
袋や容器を開けないままで、書かれた保存方法を守って保存していた場合に、この「年月日」まで、「品質が変わらずにおいしく食べられる期限」のこと。スナック菓子、カップめん、チーズ、かんづめ、ペットボトル飲料など、消費期限に比べ、いたみにくい食品に表示されています。
引用:消費期限と賞味期限:農林水産省
消費期限
袋や容器を開けないままで、書かれた保存方法を守って保存していた場合に、この「年月日」まで、「安全に食べられる期限」のこと。お弁当、サンドイッチ、生めん、ケーキなど、いたみやすい食品に表示されています。
引用:消費期限と賞味期限:農林水産省
なので、
ショーケースに入っているような生菓子は消費期限
クッキーやマドレーヌのような焼き菓子は賞味期限
となります。
ただし、これらの賞味期限・消費期限はあくまでも目安です。
ただし、消費期限も賞味期限も、袋や容器を開けないで、書かれた通りに保存していた場合の安全やおいしさを約束したものです。一度開けてしまった食品は、期限に関係なく早めに食べるようにしましょう。
引用:消費期限と賞味期限:農林水産省
ですから、例えばフルーツの缶詰。
缶詰は賞味期限が数年単位の長期保存が魅力ですが、「開けたらすぐ食べましょう」と書いてあります。意外にも早いものは1週間ほどでカビてくるものもあります。
このように、食べ物ですので状態が変わってしまえば日持ちも変わります。
何故元々年単位で日持ちする缶詰が、開けてしまうとすぐにダメになるか。これについては後日記事を作成します。
飲食業での一番のリスク
飲食業界一番のリスク
最も避けなければいけない事故があります。それは
食中毒
飲食物を取り扱う以上、絶対につきまとう問題になります。
ちなみにもし食中毒が起こった場合
お店は即座に営業停止処分にされます。
食品衛生法第6条第3号違反(食中毒の発生)により、行政より食品衛生法第55条に基づく営業停止命令、もしくは営業禁止処分
引用:食品衛生法第55条第2項に基づく輸入者の営業の
禁止及び停止処分の取扱い指針(ガイドライン)
再開する為には、また新たに保健所の審査を受けなければいけない為、非常に厳しい道のりとなります。
近所には噂も広まり、企業であればニュースにもなります。
まさに一発で全てがダメになってしまう可能性が高いのが【食中毒】というわけです。
ただし、特に持ち帰り商品の場合。お店側の配慮や防止策だけでは対応できない事故もあります。
- お客様が元々体調が悪くて、お腹を壊した
- 持ち帰った商品の管理が悪い状態で食べてしまった
- 期限を過ぎた状態で食べて、具合が悪くなった
ただこちらに関しても、基本的には検査しないと分かりません。
1日3食食べる中で、どれが当たっているか・原因になっているかは各個人には把握しきれないものです。
その為、少しでもリスクを下げる為に
【消費期限や賞味期限を短めに設定する】
というお店は多いです。
本当は1週間くらい日持ちする商品も、3〜5日で期限・廃棄する。といった形です。
特に日本は高温多湿の季節が多いです。衛生面での、意識の高さが求められる環境であるといえます。
実際のケーキの消費期限は?
今回はお誕生日ケーキの定番。ショートケーキでの例になります。
みなさんケーキ屋さんやデパ地下で買ったケーキ、毎回必ず【当日中に食べきっていますか?】
大半の人が、冷蔵庫に残して、翌日の昼〜夜に食べると思います。食べきれない理由は先に書いた通りですね。
ちなみに子供の頃は、1日寝かせたチョコのショートケーキがとても好きでした🤣
つまり安全かどうかは別にして、翌日も大抵は食べることはできます。というか食べてます
私の経験則から来る話をします。
例えば清潔な環境で、適切な冷蔵庫で保管した場合。
食べられるかどうかでいえば3〜4日くらいは食べることができます。
もちろん材料やケーキの生地・クリーム・フルーツの状態にはよります。
イメージ、殺菌していない生の卵を使ったムース(よく、素人さんやパティシエのいないレストランで作るタイプ)
こちらが5日目くらいにダメになることが多いです。
つまり、上記の食中毒事故を起こさない為に、余裕を持った賞味期限の管理を行なっているお店・企業が大半だということになります。
賞味期限のリスクヘッジ
飲食店やレストランでも、例えば手作りのフレッシュソースの保管期限は大体2〜3日程度という店が多いです。
それこそクッキーなんかは日持ち面でいえば2〜3ヶ月は大丈夫です。
もちろん、「一番美味しいタイミングで食べてもらう」という意味の賞味期限を定義している商品もあります。
やはり日にちがたった焼き菓子も香りが飛んでしまうので、短めに設定するお店も増えてきました。
食べるだけなら3〜4ヶ月は大丈夫でしょう。焼きたてに比べて美味しいかどうかはまた別の話です😂
まとめ
いかがでしょうか?
今回は
「本日中にお召し上がりください」の本当の理由、「誕生日ケーキ」は何故当日に食べて下さいと言われるのか。
についての解説を行いました。
後編では
- 販売店での適切な管理環境
- 法律上のルール
- お店側の気持ち・ホンネ
- 結論「本日中にお召し上がりください」の理由とは
こちらについて解説していきたいと思います。
この記事が未来のシェフパティシエや、スイーツを愛する全ての人のためになりますように♪
それでは!
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