【ガナッシュ】シェフパティシエのコツ!チョコレートのガナッシュ作り方のポイント【分離】

スイーツ学講座

どうも!

某企業で、現役シェフパティシエとして働く【スイーツだいすき大男】です。

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今回のテーマは

シェフパティシエのコツ!チョコレートのガナッシュ作り方のポイント

魅惑の口溶け生チョコ。初めて出会った時、衝撃を受けたのを今でも覚えています。

シンプルにチョコレートと生クリームだけで作っても美味しい生チョコは製法として見れば【ガナッシュ】ですが、実は作り方にもポイントがあります。

ヒントと大事なポイントは【乳化の度合い】です。今回は

  • ガナッシュとは
  • 油中水滴型と水中油滴型
  • 乳化パターンの移行を丁寧に行う
  • 最強はブレンダー(バーミックス)

上記に沿って解説していきます。

大男
大男

「ガナッシュはムースや焼き菓子を作るときにもよく使われるので、しっかりと理解・把握しましょう」

ガナッシュとは

有名な話で、失敗から生まれたスイーツの材料として有名なストーリーがあります。

ちなみに、スイーツ関係は**で失敗した!という理由で生まれたものが多いです。スイーツの歴史は、失敗から成功や新しいものを作り出してきた歴史とも言えます…ロマンですね。

ガナッシュとは、英語・フランス語で「ganache」と表記し、「のろま」というフランス語の古語からきている言葉。『昔、見習いのパティシエが溶かしたチョコレートにうっかり生クリームをこぼしてしまったときに「Quel ganache!(うすのろ!)」と親方が怒鳴ったが、そのチョコレートがとても美味しかった』といういい伝えがあるようだ。

引用:ガナッシュとは?語源やプラリネとの違いやマカロンとの相性も説明 | 食・料理 | オリーブオイルをひとまわし

大雑把に説明すると

チョコレートと35%前後の生クリームが、乳化しているクリーム・状態

となります。ルセットや作り方によって、使い方や商品に大きな違いが出るところも面白いところです。

今回は乳化に注目しますので、【チョコレートと生クリームのみのシンプルなガナッシュ】で説明をしていきます。

油中水滴型と水中油滴型

乳化にはいくつかパターンがあります。

チョコレートとガナッシュ。どちらも乳化している状態ですが、実は乳化のタイプが違います。それは

  • 油中水滴型(O/W型)→チョコレート
  • 水中油滴型(W/O型)→ガナッシュ

となります。

水中油滴型:水の中に油の粒が浮かんでいる状態
油中水滴型:油の中に水の粒が浮いている状態
水中油滴型は、ドレッシングや生クリーム、油中水滴型はバターやチーズなどが挙げられます。なお、乳化は時間がたてば水分と油分に再び分離してしまいますが、乳化剤という物質を入れることで乳化した状態を安定させることが可能です。

引用:食品が乳化する仕組みやメリットを解説! 高品質な乳化を行う方法は?

見た漢字のままですが、

【水の中に油がある状態】と【油の中に水がある状態】

という認識で間違いないです。

乳化されている状態というのはバランスが良く安定性があります。ただ、いきなり油中水滴型→水中油滴型へ一気に変えてしまうと、食材の乳化が追いつかずに【目にはわからない範囲で分離してしまう】状態になることがあります。

分離したガナッシュは様々な不具合があります。

特にボンボンショコラ。チョコレートの器やコーティングの中にガナッシュが入っていますが、しっかり乳化ができずに注入してしまうと、やばいです。

ガナッシュの分離は、目に見えての分離だけで判断すると間違えることが多いです。色艶や物性でわかりますが、かなり慣れたパティシエでなければ見逃してしまいやすいです。わかりやすい変化は固まってから時間がかかって徐々に分離・油と水分が別れた状態・つまり【離水】したときに初めてわかります。

そして、ボンボンショコラは賞味期限を長く設定している事が多いため、時間が立つにつれ分離した水分をもとに、

見えない箇所のガナッシュがカビてしまう

というパターンが非常に多いです。

食べた瞬間「ジャリ」っとして、ゾッとするのがよくあるパターンですので、期限切れや売れ残りでまかないに出てきたボンボンショコラには要注意です。(元上司はこれでお腹壊した…とずっと言ってました)

そのため、しっかり乳化させることが必要になります。

乳化パターンの移行を丁寧に行う

当時は革命的な方法でした。

発案したのはサントス・アントワーヌシェフ

飴細工の本が有名なシェフです。

サントス式乳化法なんて言われますが理屈としては、

油中水滴型→水中油滴型にするために、わざと一回分離させるという事がポイントです。

それぞれの成分のボリュームをイメージするとわかりやすいです。

最初は油>水分の状態(油中水滴型)→水分が増えてバランスが崩れて分離(包むためには量が多くないといけない)→水分>油の状態に移行する(水中油滴型)

つまり

水中油滴型にするために水分量を増やさなくてはいけないが、一旦分離させることにより油中水滴型の乳化を一度しっかり崩して、確実に乳化の状態を移行させる

と言うことになります。

言葉ではわかりにくいと思いますが、こちらのサイトのイラストや説明がわかりやすいのでオススメです。

特に「乳化が全てではないよ」という、少し変態的なレストラン目線のアプローチもしているので理論として知っておくと幅が広がるので、ぜひ参考にしてみてください。

最強はブレンダー(バーミックス)

さて、理論を説明しましたが近代では「そこまで理解していなくても失敗が減る」という万能調理器具があります。

それはバーミックス(ハンドブレンダー)です。

ほぼ最強です。パティシエなら絶対持っていたほうが良いです。

ちなみにバーミックスというのは商品名です。

空気も入りにくいので、質が高い調理ができますが、価格もオプション商品も高いです。

そこまで厳密にしなくても!という方にオススメなのがブラウンのハンドブレンダー

昔のに比べてスイッチがクラッチ式で(押す力加減でスピードが変わる)オプションも安くトータルコスパが良いです。価格が高いものは【コードレス】なので、電源悩むこともないです。

私はこちらを使っています。スピード調整が出来る所がとても私好みです。

小型のフードプロセッサーもありですが、場所は取るのであまりオススメはしません。(ただし空気は入りにくいので、ケースバイケースです)

ただし大事なことがあります。便利なバーミックスですがあくまで「道具の力」でうまくできているだけです。

理屈をしっかり把握していないと

  • ミスしたときの対策ができない
  • 後輩や部下に説明ができない
  • いつも以上に丁寧に作る場合に上手に作れない

と、スキルや理解・仕事の質が下がる可能性があります。

道具は便利ですが【道具に頼らないと何もできない】というポンコツパティシエにならないように注意しましょう。

まとめ

いかがでしょうか?

今回は

シェフパティシエのコツ!チョコレートのガナッシュ作り方のポイントとして

  • ガナッシュとは
  • 油中水滴型と水中油滴型
  • 乳化パターンの移行を丁寧に行う
  • 最強はブレンダー(バーミックス)

について解説しました。

チョコレートを使ったスイーツにとって、ガナッシュの理論は重要な知識の一つです。今回の基本知識をしっかり復習して、美味しいチョコレートスイーツを作れるようになりましょう!

この記事が未来のシェフパティシエや、スイーツを愛する全ての人のためになりますように♪

 

それでは!

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