【ハロウィン特別企画】シェフパティシエの解説〜アイシングクッキーの材料について〜【グラスロイヤル】

スイーツ学講座

どうも!

某企業で、現役シェフパティシエとして働く【スイーツだいすき大男】です。

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今回のテーマは

【ハロウィン特別企画】シェフパティシエの解説〜アイシングクッキーの材料について〜

ハロウィンの時期なので特別企画です。

最近は特に身近な存在となったアイシングクッキー。カラフルな見た目や、デザイン性の高さから一般の方もよく作られる人気のクッキーです。

ただしクッキーと侮るなかれ。通常のクッキーと違い、作りやすさに反比例して衛生面での扱いの危険度はかなり高いです。ハロウィンのパーティーや、お家で作るシーンも多いとおもいますが、今回は

  • アイシングクッキーとは
  • グラスロワイヤル
  • 卵白使用時の注意点(サルモネラ菌)
  • 殺菌対策が【乾燥のみ】の怖さ
  • アイシングシュガーパウダーや乾燥卵白

上記の流れに沿ってプロから見た、材料や衛生面の注意点をレクチャーします。

アイシングクッキーとは

アイシングクッキーとは【焼いたクッキー生地の上にアイシングを施した装飾菓子】です。

アイシングとは、

アイシング(英: icing、砂糖衣がけ)とは、焼き菓子を覆う甘いクリーム状のペーストである。アメリカでは主にフロスティング(frosting)と呼ばれる。

アイシングにはホイップクリームの他、バタークリーム、マルチパン(マジパン)、フォンダンなどが使用される。ココアパウダーや着色料を加えて色をつけたり、クリームの絞り出し袋の口金の形を変えることによって色や形に変化をつけることも出来る。

引用:アイシング – Wikipedia

言葉の意味は上記のとおりですが、アイシングクッキーの場合はシュガーベースの生地を使います。主にしっかりと白く仕上がるので、生クリームやホワイトチョコを使うよりも純白に近い白さを表現できます。

生クリームやホワイトチョコは性質上、乳成分が含まれているため、どうしても黄色がかった色合いになります。その点砂糖と水や卵白のみなので、かなり純度の高い白さになるというわけです。

グラスロワイヤル

アイシングはたくさん種類がありますが、一番手軽なものはグラスロワイヤルです。

粉糖に卵白を少量入れてレモン汁で風味と凝固作用を高めます。あとは硬さを調整してコルネで装飾していきます。

材料準備の手軽さと固まるまでの時間の速さ・味も悪くないのでよく使われますが、作った後の賞味期限も比較的長く設定できるため、一般の方が作る場合衛生上の問題があります。

卵白使用時の注意点(サルモネラ菌)

まず趣味で作成される方。【適切な環境で作成していますか?】

具体的には

  • 作る前に着替えているか
  • 作成前に器具の消毒・手指の消毒は行っているか
  • 自分以外の人の立ち入りがあるか

上記をカバーできる一般家庭のキッチンはおそらくほぼ存在しません。

小男
小男

「なんかめっちゃ責められてるみたいなんだけど…やだ…」

と思ってしまいますが、決して攻めているわけではないです。衛生対策はそれくらいシビアで、だからこそ飲食店は保健所の厳しいチェックをクリアして、許可をもらって営業しているのです。

また、食品衛生の考え方では菌を【いかに持ち込まないか・増やさないか】が重要です。

ですから製造環境にも気を使いますし(持ち込まないか)保存や作成工程の際(増やさないか)にも注意が必要です。

何より上記のアイシングには生の卵を使うので「サルモネラ菌」が入る可能性があります。

超有名な食中毒菌です。

サルモネラは、人をはじめ、牛や豚やにわとりなどの家畜の腸内、河川・下水など自然界に広く生息していている細菌。

引用:食中毒(サルモネラ菌)とは? | 知っておきたい!家庭の感染と予防 | サラヤ株式会社 家庭用製品情報

対策として一番確実性と再現性が高いのが【加熱殺菌】ですが、生卵でグラスロワイヤルとなると加熱殺菌ができません。そのため、危険度が高いと判断します。

この書き方ですと「生で卵を食べることがNGなの…?」となってしまいそうですがそうではありません。

生卵を食べることが危ないのではなく、【菌がある状態の食品を長期間保存する】というところにリスクがあります。

卵かけご飯や牛丼に使う生卵はすぐに食べますよね?おそらく作成後1分とかで食べているとおもいますが、アイシングクッキーは乾燥時間だけで1〜2日。1日1440分なので乾燥させるだけで約2千倍時間がかかります。その後保存する期間を考えると更に時間がかかります。そのため、すぐ食べる場合に比べリスクが何倍にも膨れ上がっていることがわかると思います。

時間の経過が長いほど、腐敗や汚染のリクスは当然ですが上がります。

対策が【乾燥・糖度のみ】の怖さ

なぜここまで注意喚起を行うかと言うと、それはアイシングの作成工程上の衛生対策が「乾燥と糖度調整のみ」というところです。

今回のサルモネラ菌やカビの対策として、アイシング部分の対策が

  • 【乾燥】させて、菌を増やさない・活動させない
  • 【糖度】を上げて砂糖の防腐性を利用(水分活性(自由水の割合)を下げる)

という理屈です。があくまで前提条件が【アイシングが完成した時点で、衛生面の問題がなかったか】という点。また作り終わった後も

しっかりと中まで乾燥しているか
乾燥させる前は衛生的な状態だったか
保存は適切に行われるか

上記までしっかりと管理されていることがポイントです。

他のスイーツは比較的わかりやすかったり、心配点が少ないものが多いです。(というか、危険なものはそもそものスイーツ作成のハードルが高いので、必然リテラシーが低い人は作らないから安全・という理屈になります)

ムースは痛む前にすぐ食べる・もしくは腐敗がわかりやすいです。

焼き菓子は加熱殺菌がしっかり行われるので安心です。

ただしアイシングクッキーは、不明瞭になりやすいのです。

ですからご自宅で作成する場合は、必要以上に最新の注意をするか、2〜3日で食べるか処分するか

こちらの徹底をおすすめします。

アイシングシュガーパウダーや乾燥卵白

散々怖がらせましたが、別に素人はアイシングクッキーを作るな!といっているわけではありません。

オススメの材料や作り方があります。それは

衛生面が保証されている・もしくはリスクが低い材料の使用

です。

とにかくポイントは【生卵】です。これさえ使わなければいいので、

色艶が下がってしまいますが水だけで作ったり(グラスアロー)

市販のアイシングシュガーパウダーを使ったり(当日混ぜるのは水だけのものが多い)

乾燥卵白を使ったり(乾燥卵白は加工品なので、一定の殺菌処理が行われています)

など、危険物を避けて作成すれば、比較的安全に作ることができます。

アイシングシュガーパウダーは

乾燥卵白は

他にも調べればいくつか出てきますので、お好みのサイトや商品・メーカーから選んでもらえればと思います。

安全な食材を使って、安全に楽しくアイシングクッキーを楽しんでください。

まとめ

いかがでしょうか?

今回は【ハロウィン特別企画】シェフパティシエの解説〜アイシングクッキーの材料について〜として

  • アイシングクッキーとは
  • グラスロワイヤル
  • 卵白使用時の注意点(サルモネラ菌)
  • 殺菌対策が【乾燥のみ】の怖さ
  • アイシングシュガーパウダーや乾燥卵白

についての解説を行いました。

せっかくの楽しいアイシングクッキーづくりで、万が一の事故を起こさないために注意点を解説したので「なんか作る気なくなっちゃったなー」となってしまいそうですが、

比較的スイーツの中で、作るための製菓理論やスキルが必要ないスイーツです。

やはりケーキや焼き菓子はちゃんと作らないと美味しくないですが、アイシングクッキーは見た目さえ整えればいいので、ハードルがとても低いです。スイーツとしてのプロの【菓子製造技術】【製菓理論】が必要ないスイーツです。

その分【お菓子づくり】の楽しさを直接的に堪能することができます、ぜひ安全・衛生的にお菓子作りを楽しんでいただければと思います。

そして【贈答用】ということであれば、ぜひ専門店やケーキ屋さんで購入することをおすすめします!安全安心が一番ですね。

この記事が未来のシェフパティシエや、スイーツを愛する全ての人のためになりますように♪

 

それでは!

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