どうも!
某企業で、現役シェフパティシエとして働く【スイーツだいすき大男】です。
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そんな方々に少しでも役に立つ
有益な情報を伝えていけたらと考えています😆
今回のテーマは
シェフパティシエが教える!オススメ材料紹介・パータグラッセ
作業性がいいチョコレート、パータグラッセ。コーチングチョコレートや洋生とも言われますが、各メーカーでそれぞれ特色があります。
今回は3社のパータグラッセについて
- 日仏商事株式会社 「カカオバリー・パータグラッセ」
- 大東カカオ社 「パータグラッセ」
- 日新化工株式会社(NK社) パータグラッセ「ルセーラシリーズ」
上記3社の商品についてご紹介を行います。
【ちなみに案件ではなく、現場で使った経験からくる独自視点での解説となります】
それぞれの特徴を生かして、適切な商品開発を行えるようになりましょう。
パータグラッセについてはこちらの記事もご参考にどうぞ
【ノーテンパ】テンパリング不要?業務用の不思議なチョコレート・パータグラッセ【洋生】
【チョコレート】プロ向け!パータグラッセの上手な使い方・ポイント【便利】
日仏商事株式会社「カカオバリー・パータグラッセ」
ますは最初。日仏商事株式会社が取り扱うのは、チョコレートの会社としてポピュラー&世界最大のチョコレートメーカーであるバリー・カレボーグループの中核を担うブランドカカオバリー
カレボーは近年話題になった「ルビーチョコレート」を発売した会社としても有名です。
カカオバリーが提供するパータグラッセシリーズ。
スイートチョコが「ブリュン」
ホワイトチョコが「イボワール」
この2つをメインで使われている方が多いと思います。
ちなみに空いたバケツも、よく洗った後にグラニュー糖や薄力粉入れに使われる便利さもあります。ですからバケツ目当てで発注することもあります🤣
ただ、最近ですとHACCPの観点からはあまりオススメはできません、、、残念(HACCPに関しては後日記事作成を行います)
さて本題です。
バリーのパータグラッセは「クーベルチュールに近い使い方」が出来るパータグラッセです。
まず味。流石というか、バリーカレボーはベルギー系チョコレートなので食べやすく癖が少ないです。パータグラッセも比較的食べやすいので、味に関しての使いやすさは値段にも現れていると感じます。
そしてチョコレートの固まる感じが、クーベルチュールをテンパリングした時に近いです
どういうことかと言うと、例えばメッセージ用のチョコプレートを作る場合。
通常であれば、テンパリングを行い薄く伸ばしたチョコレートのシート。これを室温で適切な硬さに固めて抜き型で抜いたりナイフでカット。後しっかりと最後まで固めて回収します。
この【固まっているけど、固まりきっていない】状態はクーベルチュール特有で、この硬さの再現度がかなり近いです。
他の大東カカオ社、NK社のパータグラッセに比べ、程よい硬さなので
【抜いたりカットするのに適している】というイメージです。
ただ【その分ただ溶かして固めるだけ】のようなやり方ですとブルームが出やすく、温度管理はクーベルチュールに近いため、少しデリケートな扱いが求められます。
まとめると
クーベルチュールに近い使い心地
のパータグラッセという紹介になります。
大東カカオ社の「パータグラッセ」
続いて国産です、大東カカオ社
こんなかんじの【めちゃくちゃでかいカレールー】という感じのため、大量仕込みの場合の計量の手間が楽です。こういった細かい所にも現場のことを考えられている企業努力が見られていて好感度↑ですね。
高級ブランドから一般利用品まで、ニーズに幅広く答えられるラインナップが特徴ですが、パータグラッセもそのとおりで
最大の利点は「色々な味があること」です。
たとえばキャラメル味
珍しいですよね。
他にもレモンやいちごなど、幅広い味が揃えられているので便利ですよね。
このようにたくさん種類があり便利ですが、作業性を重視しているので、他の2社商品に比べ味はやや劣ります。
ただし、パータグラッセはそのものを食べさせるというよりはあくまで副原料の立ち位置です。飾りや少量の使用が多いので、最終商品への影響はそこまで大きくないです。
その為まとめると、
王道・優等生の立ち位置にいる
パータグラッセという紹介になります。
日新化工株式会社のパータグラッセ「ルセーラシリーズ」
最後は日新化工社(NK社のほうが聞いたことも多いかと思います)
プラチョコ(プラスチックチョコレート)やガーナ産クーベルチュールが有名かと思います。
こちらのパータグラッセ、ルセーラシリーズ
上記2社よりも後発ですが、その分特性が違うアプローチを行っています。
味も良く、パータグラッセ特有の「油臭・口どけ」がかなり緩和されていて食べやすいです。そしてホワイトは【比較的白い】のも特徴です。
そして最大の利点が【乳化力が強く、固まりやすい】という所。
パータグラッセはテンパリング不要の分、温度が高すぎると固まりにくかったりブルームが出やすい特徴がありますが、ルセーラは分離がしにくく、固まった後の硬さがクーベルチュールに近いです。
パータグラッセは植物油脂がはいっている性質上、固まった後の強度がクーベルチュールに比べ低い・つまり柔らかいです。しっかり冷やせば問題はありませんが、現場での作業性にも関わってくるので、強度問題はパータグラッセの一番の課題とも言えます。
そんなパータグラッセ界の中では、ルセーラの強度はパリッと固まってくれるので現場で使えるレベルにあります。少し厚めにすればチョコの飾り類を作ることも可能です。
ただし、その強度が逆に弱点にもなります。カカオバリーのパータグラッセのような【固まっているけど、固まりきっていない】状態を飛ばしてパリッと固まってしまう為、程よい硬さでのカットや抜きが難しいです。ですから、そういったプレート物やカット物には不向きなパータグラッセとも言えます。
長所が逆に短所になる稀な例ですね。
まとめると
ハマると強いアタッカータイプ
のパータグラッセという紹介になります
まとめ
いかがでしょうか。
今回はシェフパティシエが教える!オススメ材料紹介・パータグラッセとして
- 日仏商事株式会社 「カカオバリー・パータグラッセ」
- 大東カカオ社 「パータグラッセ」
- 日新化工株式会社(NK社) パータグラッセ「ルセーラシリーズ」
上記3社のパータグラッセを紹介しました。
それぞれ良い点・悪い点があるので、商品や現場環境に合わせてチョイスしていただければなと考えます。
特に飲食の材料は使う人の好みに分かれます。
私にとっては長所でも他のシェフから見たら短所になる点もあるでしょう。
ですから、とあるシェフパティシエ1人の一例としての紹介ですが、この記事が現場での何かの参考になれば、私は嬉しいです。
この記事が未来のシェフパティシエや、スイーツを愛する全ての人のためになりますように♪
それでは!
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