【全3回】シェフパティシエが教える!Xmasの仕事①前編[ケーキ屋の場合]【クリスマス】

パティシエになるには

どうも!

某企業で、現役シェフパティシエとして働く【スイーツだいすき大男】です。

こちらのサイトは

  • これからパティシエになりたい人
  • パティシエなりたての新人さん
  • スイーツに興味があるみなさん

そんな方々に少しでも役に立つ

有益な情報を伝えていけたらと考えています😆

今回のテーマは

【全3回】シェフパティシエが教える!Xmasの仕事[ケーキ屋の場合]【クリスマス】

パティシエの仕事で年一番の忙しさを誇るのが皆さんご存じの【クリスマス】です。

ケーキ屋さんではクリスマスケーキ販売、レストランやホテルではクリスマスディナーのデセール準備、少しずれますが貸切バンケットでは年末年始の忘新年会

特に今年はコロナ禍のリベンジ消費や曜日回りが良かったこともあり、過去最高売上・計上利益を出すお店も少なくありませんでした。

家族利用でも・友達利用でも・恋人利用でも需要があるクリスマスですが、自分がパティシエを目指した時に

  • 具体的にどう忙しいのか
  • 大変ってイメージはあるけど何が大変なのか
  • いつ頃から準備が始まるのか

具体的なことは何もわかりませんでした。そこで!これからパティシエを目指す皆さんの役に立てるように実際の私の体験談や現状のクリスマス営業への臨み方を参考にしていただければと思います。

今回は3部構成です😎

話したいことがたくさんあるので、それぞれトピックに分けて解説を行います。

  1. ケーキ屋さんのクリスマス営業の場合
  2. クリスマスコース・レストラン営業の場合
  3. 年末年始の忘新年会の場合

今回はパート1【ケーキ屋さんのクリスマス営業の場合】 についての解説です。

修行時代の実際の私の体験談からピックアップして解説を行います。今考えると本当に大変でした…!当時の私よく頑張った、偉い!

ケーキ屋のクリスマス

ケーキ屋のクリスマスは、売上が大きい!

まずは修行時代のクリスマスの仕事の流れを解説します。仕事の段取りは当時のやり方なので、今考えると「ん~間違ってるかもな…」と感じるところもありますが、あくまで参考にということで。

クリスマス前の21~23日はお店は一般営業をしません。販売は休業になり、仕込みの準備を行います。

一般的に昔の場合、ケーキ屋のクリスマスでの利益額は1年間のキャッシュを全部稼ぐ勢いです。平常時では1日ホールケーキが4~5台しか販売されないお店でもクリスマスでは1日500台以上が予約され販売します!すごい!つまりは

ホールケーキだけでも普段の約100倍の売上があるということです

さらにプチガトーや焼き菓子も、普段の何倍も販売されていきます。まさに飛ぶように売れていく感じです。ともかく!普段の何倍も忙しいということになります。1日だけでは間に合わないんです。あとは、24・25日をずらして21~23日にケーキが売れると、高騰しているイチゴの価格の影響もあり粗利が少ないです。売上損失の大きさと準備が滞ることを踏まえて、クリスマス前は休業としていたのだと思います。

クリスマス前後のイチゴの高騰についてはこちらからどうぞ!

さて、普段の100倍忙しいクリスマスを乗り切るために、まずは20日はしっかりと休みます。忙しいままに休みなくクリスマス突入すると事故やミスにつながります。まずはしっかりと休んで体力を回復します。

ちなみにですが、修行時代は毎年パティシエの人数はインターン含めて4人体制で行いました。

まずは床一面に段ボール!

そして一番にやることが【床に段ボールを引くこと】です。床全体に敷き詰めるので30分程かかります。

普段なら毎日仕事の後に床掃除をします。箒でごみをはいてから、モップで拭き掃除は毎日のルーティン業務でした。ケーキ屋さんなのでほぼ毎日小麦粉を使います。そして粉は大概振るうので空気中によく舞って、床やミキサー・作業台が汚れていきます。なので、毎日の床掃除は重要なのですが、クリスマスは掃除する時間が惜しいくらいに仕込みを優先しなくてはいけません。もちろん最低限の掃除・洗い物は毎日しますが、床掃除は最終日に一気にやるため、段ボールを引いて床が汚れないように・剥がせばきれいになるようにしていました。

やらなくてはいけないことを最小限にして、すべてのリソースをケーキ作成につぎ込みます。

その覚悟というか独特のいつもと違った緊張感に段ボールを床に敷きながら「何だかテンション上がってきた~!」と思ったことを今でも覚えています。まさに戦いの準備をしている感じですよね!

ちなきに今考えると【なんでそんなことを…むしろ衛生的に悪いんじゃ…】と思ったりしますが、代わりにどうすべきかと言われてもなかなかいい案が出てこないので、今後も考えていきたいとおもいます。

初めはひたすら【生地】の仕込み

段ボールの養生が終わったらいよいよ仕込みスタートです。シェフから言われた仕込み回数をもとにひたすらジェノワーズを焼いていきます。焼く生地は主に3種類ほどで、クリスマスの時期にしか焼かない特別な配合の生地もありました。

修行先の店はジェノワーズを冷凍しない店だったので、ともかくひたすら焼き続けます。ず~~~~~~っと焼きます。普段は1日1~2回戦しか焼かない生地を、全部で20~30回戦焼いていきます。正直何回焼いたか覚えていません。無心でずーー-----っとミキサーとオーブンを駆使し続けていきます。道具類を洗浄機で洗う時間が惜しくて、手洗いでミキサー・ホイッパー・カードやゴムベラを洗いながらオーブンの焼きが途切れないようにしていました。 

普段ならなるべく床に汚れをつかないように作業しますが、そんなことはお構いなしでいかに早く・正確に焼き続けることができるかでしかやっていませんでした。そして1日のノルマが焼き終わると、次は生菓子の準備に取り掛かります。

生ケーキのパーツ準備・ジェノワーズのスライス

もちろんショートケーキなどの冷凍できないケーキ類は直前に仕込まなくてはいけません。ですから21~22日は営業がないので作ることができません。その代わりにパーツ類の準備や仕込みをします。

たとえばチョコバナナショートケーキのセンターに挟むバナナジュレは、冷凍保管可能なのでポーション作業(小分け作業)を行ったり、翌日のジェノワーズ用卵の計量。グラニュー糖等の事前計量を行います。また、本日焼いた分のショートケーキのスライスを行ったり、ケーキ用のシロップを作成したり、すぐに23日以降にケーキのサンド作業ができるように準備を行います。

このように21~22日はあくまで事前準備に専念します。そしていよいよ23日からケーキの仕込みが始まります。

ひたすらナッぺ、ずーっとナッペ

あとはシンプルです。ひたすら目標数までナッペし続けます。

普段であれば1日多くても5台程度ですがクリスマスは100倍です。取り板という大きな板に、まずはサンド・下塗りしたケーキをどんどん作っていきます。この時は焼きは一切行わずにひたすら全員でナッペし続けます。ここは本当にひたすら作業です。ラジオを聴きながらひたすらナッペし続けます。(ラジオが流れる職場でした)

途中くらいから一人は仕上げナッペに取り掛かります。サンドは技術をあまり必要としないのでトントン拍子にできますが、仕上げナッペはきれいにしないといけないので、時間と技術が必要になります。

ちなみに初年度のクリスマスは、私はサンドはできましたが仕上げナッペが技術不足で出来ませんでした。とても悔しい思いをしたのを覚えています。(悔しかったおかげで、年明けにはすぐにできるようになり、翌年のクリスマスは無事先輩やシェフと一緒に仕上げナッペをすることができました!😎)

そして、ナッペが終わったらケーキの仕上げです。シャンティを絞ったら、あらかじめ準備しておいたイチゴや飾りのオーナメントをかざって、どんどん箱にしまっていきます。また、営業日前日のため、冷凍しておいたムースやブッシュドノエルの仕上げも行っていきます。こちらもどんどん仕上げていきます。そして、ノルマが達成したら家に帰ります。

ちなみに家に帰った時間は深夜1時半です。翌日の仕事は朝6時からなので、1日のほとんどを働いていました…!

ここで訪れるシェフのやさしさ

ちなみに一番大変な23日のご飯ですが、普段が1食¥500の仕出し弁当のところなんと!

うな重になるお店でした♪しかも会社の奢りです!福利厚生!

うな重を準備して【追り返し地点だから頑張ろう!】としてくれるお店でした。薄給だったのでもちろん普段ウナギなんか買えるわけもなく、とてもうれしかったことを覚えています🤣

毎年やっているそうで、わたしもこんな気遣いができるお店のシェフになりたいな~と思ったことを今でも覚えています^^

このように怒涛の仕込み準備期間を終えて。いよいよ本番!24・25日のクリスマス営業に臨みます。

後半へ続く

長くなってしまったのでいったん分けます。

次回は後編として24・25日の営業の流れやその後の片づけ等解説します。

この記事が未来のシェフパティシエや、スイーツを愛する全ての人のためになりますように♪

 

それでは!

コメント

タイトルとURLをコピーしました