どうも!
某企業で、現役シェフパティシエとして働く【スイーツだいすき大男】です。
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今回のテーマは
【なめらか派】シェフパティシエが教える!生菓子の基本理論~プリンの作り方のポイント~【しっかり派】
老若男女みんな大好きなお菓子の王道、それがプリン
昔からある洋菓子の一つであり、小さいころにお母さんやおばあちゃんにおやつで作ってもらった人も多いのではないでしょうか。
昔母にマグカップで作ってもらった蒸し器で作っていたプリンは、今でも懐かしい味の思い出として記憶に残っています…😊
価格面や食べやすさも相まってお店の看板商品・人気商品になるものも多いですが、皆さんは「プリンがなぜ固まるのか」「**なプリンにするために必要なこと」がしっかり説明できるでしょうか?
身近なスイーツほど、しっかりと説明するのは難しいものです。このタイミングでおさらいしていきましょう!個人的なお勧めの作り方も最後に紹介します!
今回はそんなプリンについて
- プリンの種類【蒸し焼きタイプ・ゼラチンタイプ】
- なぜプリンは固まるのか
- なめらかタイプ・しっかりタイプのレシピの違い
- 簡単・シンプルだからこそオリジナリティを出す
- 絶対おすすめ・スチコンでの焼成
上記の流れで解説していきたいと思います。
「長くなってしまったので、前後編に分割します。」
プリンの種類【蒸し焼きタイプ・ゼラチンタイプ】
まずはプリンと聞くとほぼ99%のパティシエは【オーブンで焼成する湯煎焼き】のプリンをイメージしますが、世の中の「プリン」のイメージでは2つに分かれます。それは
- プッチンプリンに代表される【凝固剤で固める非加熱タイプのプリン】
- その他のオーソドックスな【卵の凝固力を利用した加熱タイプのプリン】
【凝固剤で固める非加熱タイプのプリン】 は、スーパーやコンビニで多く見られるタイプです。学校の給食でも出されたことがあるのではないでしょうか?
そして、このジャンルの最強王者はみなさんご存知【プッチンプリン】です。
圧倒的認知度と「プッチン」というオノマトペ付きの特性を生かしたネーミングと食べやすさ。そして【専門店のプリンと完全に違うジャンル・懐かしいおいしさ】
私もたま~~~~に食べたくなってしまいます。プッチンプリン。なんなんでしょうねこの魔力。
みなさん【プリンの味】【プリン風味】といえば、真っ先にイメージがつくのはこちらの凝固剤タイプの味かとおもいます。
凝固剤と書きましたが、ゼラチンやアガー・寒天を使用して固めているものが多いです。要は【カスタード味のゼリー】というイメージです。
ただ、どうしても【いや、というか安物でしょ?どうせ】と思っている人がいたら大きな間違いです。昨今、アレルギーやビーガン食の需要があるので、こんなプリンも売られています。
こちらは【乳・卵抜き】のプリンです。凝固剤タイプでなければ、満たすことのできない条件です。
アレルギーの話で言うと【食べてみたいけど、アレルギーだから食べられない】というお子様は本当に多いです。ただ、命にかかわることなので、私の職場では安易に注文を受けないようにしています。つまりお断りしているということです。
そんな子にも安心して食べられる商品があるのはとっても素敵なことですよね。ですからこういった商品には日々感謝しています😂
それぞれの違いに良さがあるということです。話が脱線したので戻します。
【卵の凝固力を利用した加熱タイプのプリン】は、専門店や高級志向商品に多いパターンです。といっても昨今ではどこでも買うことができます。
コンビニ・スーパー・ケーキ屋いたるところで販売されていますが【昔ながらのしっかりプリン】【なめらかプリン】【濃厚なプリン】など、プルンとした食感以外のプリンはすべてこちらのタイプになります。
こちらはスタンダードないわゆる「カスタードプリン」というものです。卵のたんぱく質による熱凝固力を使って、任意の硬さにプリンを固めていきます。
卵の凝固力というか、プリンの固まり方についてはかな~~~~り奥が深いので、この後しっかり解説していきます。
なぜプリンは固まるのか
卵のたんぱく質による熱凝固力と書きましたが、具体的に解説していきます。
卵には熱を加えると凝固する力がありますが、これは卵に含まれるたんぱく質が、加熱によって固まることで起こります。そして、卵黄・卵白でそれぞれ熱変性していく温度帯が違います。こちらを利用して作る料理が【ゆでたまご】です。
ゆでたまごっていくつかパターンがありますよね。
- 温泉卵(正しくは温度卵というらしいです)
- ゆでたまご・黄身半熟
- ゆでたまご・黄身完熟
それぞれの固まり方を、卵黄・卵白に分けて比べてみます。
- 温泉卵→卵黄トロトロ卵白ゼリー状
- ゆでたまご・黄身半熟→卵黄トロトロ卵白ぷりぷり
- ゆでたまご・黄身完熟→卵黄ぼそぼそ卵白ぷりぷり
同じ卵なのに状態が違うのは、上記の通り 「卵黄・卵白でそれぞれ熱変性していく温度帯が違う」ということになります。
卵黄→65℃で固まり始め、70℃で流動性を失って固まり、80℃で粉質状に固まる
(範囲が狭い・すぐ固まる)
卵白→58℃でゆっくりゼリー状に固まり始めて、80℃でしっかり固まる
(範囲が広い・ゆっくり固まる)
この卵の固まる力を利用して固めたものがプリンということになります。
余談ですが、アングレーズソースは通常であれば卵のたんぱく質が固まる温度にゆっくり加熱しているが、ゴムベラで撹拌することにより凝固作用が水分に働いてとろみがつく・ということになります。
つまり、型に流して固めたプリンと、形が決まらないように加熱していったアングレーズソースという関係になります。材料に与える温度は一緒なのに、混ぜているかどうかで完成製品が変わるのは面白いですよね😊
なめらかタイプ・しっかりタイプのレシピの違い
さて、プリンに使用する卵の比率(卵黄・卵白・全体の比率)は完成するプリンの固さ・固まり方にも影響が出るという説明を行います。
まずは【材料で変わる状態】の説明を行います。既存の自分が知っているプリンのレシピをアレンジする際や、初めて見たルセットを「このプリンは**タイプなんだな~」と理解することができるようになります。
例として、カラメル以外のものすご~~~~~くシンプルなプリンの材料は以下3点です。(分量は目安で入れています)
牛乳250ml 全卵100g 砂糖30g
ちなみに全卵100gとは、およそ卵黄30g卵白70gの比率とします。先述の通り、卵の種類によって固まり方が違うことは説明しました。この比率を変えることによって、プリンの状態は変わります。
卵黄を増やすとなめらかプリンになります。分量も増やせば濃厚さもupします。卵黄の持つ固まるスピードと濃厚さ(脂質分)が、影響を与えます。
逆に卵白を増やすと軽く、緩やかに固まります。茶碗蒸しをイメージしていただければわかりやすいです。なめらかというよりは温かいときはふるふる系、冷えるとしっかりプルン系です。
これって感覚論に近いので表現が難しいですが、こんなイメージです。あくまで私のイメージする擬音なのでご了承ください🤣
例えば卵黄プリンのレシピを全卵に変えると、卵白量が増えるので「少し濃厚さが減り、プルン・ツルんとした食感」に代わります。このように卵の種類を変えるだけで、最終商品のプリンの食感は変わっていきます。
ちなみに余談ですが、基本的に材料の近いプリンと茶わん蒸し。固まる理屈は同じですが、茶碗蒸しの方が固まりが柔らかく(ゲル状)に感じるかと思いますが、これは材料内の水分が水(出汁)か牛乳の違いによって起こります。牛乳に含まれるミネラル(無機塩類)が卵の熱凝固性を強めるために、このような違いが出るのです。
ですから、牛乳の代わりに何か違う水分(ジュース等)を使う場合は注意ということです。このように、基本のお菓子も理屈を知っておくと応用力がついて、判断に信ぴょう性がついたり信頼度が上がります。
プロのパティシエとして必要な能力・知識ですので、しっかりと覚えていきましょう👍
後半へ続く
長くなったので、後半に続きます。
次回は
- 簡単・シンプルだからこそオリジナリティを出す
- 絶対おすすめ・スチコンでの焼成
こちらの解説を行っていきます。材料はシンプルですが、奥深いプリンの世界、引き続き覗いていきましょう!
この記事が未来のシェフパティシエや、スイーツを愛する全ての人のためになりますように♪
それでは!
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